NPO法人Run for the Cure Foundation理事長 ヴィッキー・パラダイス・グリーン様ご挨拶の日本語訳 ありがとうございます・・・ ご来賓の皆様、今夜はご参加頂きありがとうございます。 2003年にこの団体を立ち上げてからラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション(Run for the Cure Foundation)は企業や個人の皆様の支援と共に、日本の乳がん撲滅の為、病気に対する知識の向上、定期的な検査や治療に従事してまいりました。 この12周年という節目に、私は乳がん撲滅のための私たち団体の更なる前進についてお話する機会に恵まれました。 私たちに惜しみない協力をしてくれているドナーの皆様には御礼を申し上げます。おかげで私たちのプログラムは飛躍的に拡大致しました。 日本で唯一の乳がんの治療や健康、ライフスタイルなどのトピックに焦点をあてた日英バイリンガル雑誌ピンク(PiNK)は今年で発行17年となります。60,000人近くの読者を誇るピンク(PiNK)は今、北海道、東北、上越、関東、中部、近畿、中国、四国、九州や大阪など日本全国で購読されています。 レモンプロジェクト(The Lemon Project)は私たちが取り組んでいる最新のプロジェクトです。自己診断や乳がんの初期症状に気が付くのはほとんどの人にとって簡単な事ではありません。レモンプロジェクトセミナー(Lemon Project seminars)は女性の皆様に自己診断の大切さやしこりの見つけ方などを教えます。昨年、何百人ものアセアブラウンボベリ(ABB)、ブルームバーグ(Bloomberg)、シティグループ(Citigroup)、ロイヤルバンクオブスコットランド(Royal Bank of Scotland)、横浜国際学校のPTA(Yokohama International School’s Parents and Teachers Association)等に所属する女性の皆様がご参加されました。今年は、さらにアフラック(Aflac)、アーンスト&ヤング(Ernst & Young)、プリンスホテルグループ(the Prince Hotel Group)、スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)、ユナイテッド航空(United Airline)の皆様がリストに加わっております。 しかしもっとも重要な事は、私たちの団体設立以来、私たちが購入し各地のクリニックに寄贈したマンモグラフィー装置で18,120人の日本人女性が検査を受けている事です。その内、1,300人以上の女性が陽性である事が発見されました。 皆様のサポートのおかげで、早期発見がされた方の多くは今日サバイバーとして強く生きていられるのです。 4月から1年間、ファンデーションは、毎月300回のマンモグラフィー検診を 千葉、岐阜や大阪で助成していきます。 私たちはがん撲滅のために大きな前進をしており、皆様ひとりひとりの協力は私たちの活動を大きく支え、数え切れない人々の命を救っているのです。しかし、私たちの成功を持っても、道はまだまだ長いのです。 “成功するまでは、どんな事でも不可能に見える。”ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela) はかつて言いました。彼は、人種差別の廃止という昔の時代では誰も思いもよらなかった思想を叶えようとしました。 不可能に見える・・・やり遂げるまでは。 ジョン・F・ケネディ大統領(President John F. Kennedy)は国境を越えた世界を夢見て、作ろうとした先駆者です。8年1ヶ月26日後、彼の夢は現実となりました。 やり遂げるまでは不可能に見えるのです。 ポリオを根絶するのは7年しかかかりませんでした。 しかし私が皆様の前でスピーチしているまさに今現在、さらに10人の女性が乳がんと診断されているのです。5人の女性はその闘病に負けてしまいます。毎分1人の女性がです。 私たちはもっと出来るはずです。 早期発見や、数ある最先端の治療法により、乳がん患者の生存率は飛躍的に向上しています。しかし、日本はその首位に立ってはいません。マンモグラフィー装置への限られたアクセスや、毎年の検査が保険でカバーされない事などから、毎年マンモグラフィー検査を受けている女性は25%以下です。対照的に、アメリカでは85%が検査を受けています。 全国的にみると、検査率は驚くべきものです。トップの宮城県の検査率は34.5%。最も人口の多い東京では25%、次に多い大阪では20%そこそこです。 もっとできるはすなのです。 過去50年で、日本での乳がんで死亡率は[間]7.5倍以上増加しているのです。 10年前、日本人女性の乳がん罹患率は30人に1人でした。 今日、その2倍、14人に1人です。 人種で差別される時代は終わり、人は月を歩き、ポリオはもう人間の脅威ではなくなりました。 今こそ、私たちの愛する、周りにいらっしゃる女性を乳がんで無くす事を止める時です。 もっとできるはずなのです…今夜からでも。はじめるのです。 当団体の理事会は、ファンデーションのコアにある価値や掲げている信念や目標に基づいて活動がなされているかを監督します。また、ファンデーションのプログラムの監督や、意思決定をしていく際の重要な原動力となっています。彼らは幅広いスキルや知識、経験で支援するだけではなく、皆さんの優しさを行動に移すことで活動に力添えしています。 彼らを紹介しましょう。
アンドリュー・コンラッド(Andrew Conrad) ジェフ・クラム(Geoff Crum) ジェイソン・ケンディ(Jason Kendy) クリス・マンシーニ(Chris Mancini) ニック・マッセイ(Nick Masee) マット・ミラー(Matt Miller) サミー・ユー(Sammy Yoo)
今夜来られなかった方: 監査のロッド・ナスバウム(Rod Nussbaum)、メディカルアドバイザーの中村清吾医学博士 今夜、私たちは目の前に残っているたくさんの課題に改めて取りかかります。日本の女性を力づけ、治療を平等に全ての人に与え、命を救うミッションを遂行します。共に現状を打破しましよう。皆様の時間と経済的なご支援を頼りにしています。そして、今夜が皆さんと更なる一歩を踏み出していく夜になる事を祈っています。 一緒に星に手が届くよう伸ばしていきましょう。不可能に思える事を可能にしましょう。 毎年?私たちはサバイバーの皆様の類いまれなる勇気を讃え、また、失われた尊い命に感謝の念を捧げています。 この過程に直面してきた皆さんを讃え、共に乾杯をしましょう。 Run for the Cure Unknown Heroは慈愛に溢れ、強く、欲におぼれず、忍耐力があり、自分の事よりも人の事を考える人で、その後の我々の歴史に多大なる影響を与えてくださった模範となる方を指します。普段はあまりその方がどのような方で、彼らがなぜ特別なのか世の中に発信をする機会があまりありませんでした。 阿部恭子さんもその1人です。彼女は千葉大学看護学部/大学院看護学研究科(the Center for Education and Research in Nursing Practice, in the Graduate School of Nursing at Chiba University)の准教授です。阿部准教授は保健師の資格を1991年同大学で取得し1997年に看護学研究科の修士課程に入学しました。日本乳がん看護研究会(Education & Training Committee of The Japan Breast Cancer Society)において日本乳がん看護師会(the Japanese Association of Breast Cancer Nurses)から代表の世話人として参加し、千葉乳がん看護師学会(Chiba Breast Care Nursing Research Association)の筆頭として活躍しています。 阿部准教授は、日本初の乳がん認定看護師を育てる学科を設立するために尽力しました。 そして、2005年から250名以上の看護師がその学科を千葉大学で修了しています。 乳がん看護師は乳がん患者の看護に従事するだけではなく、病院の外に出て、地域において乳がんに対する意識向上のための活動をし、早期発見の大切さや治療法を伝えています。 彼女の貢献や活動は注目すべきものです。 阿部准教授に今年度のUnknown Hero Awardを贈れる事は、私にとって最高の喜びです。 |